院長ブログ

03DEC

ラグビー早明戦

2006年12月03日

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明治のヘッドコーチが、41歳白髪頭に口髭の中年オヤジになった藤田剛氏になっていて驚きました。試合前インタビューで「なんといっても明治はフォワード。今日はスクラムトライで勝ちたい」といっていました。19歳で史上最年少の日本代表になり「走れるフッカー」として長らくジャパンをひっぱったひとにしてもやはり明大に戻ればメイジラグビーにこだわるのです。
対する早稲田の監督は中竹竜二氏。バックロー陣の名門ワセダらしく激しいタックルとしつこいディフェンスをする素晴らしいフランカーでした。「今日がフォワード勝負。フォワードで走り勝って凌ぎバックスでつきはなして勝つ」といっていました。やはり大学ラグビーは勝敗はもちろんですが、伝統のスタイルをいかに継承できるか、がテーマなのです。
 試合はSH矢富FB五郎丸のトリッキーなプレー、そして伝統の早くて長くて正確なパスとスピード感あふれるBKのライン攻撃のワセダ。対して個人技とパワーでディフェンスラインをこじ開けていくようなメイジ。前半はスコアだけでいえばワセダの大幅リードとなってしまいましたが、圧巻はなんといっても後半終了間際。ようやくエンジンがかかったメイジの怒濤の猛攻で自陣ゴール前のワセダボールのラック。明治バックスのディフェンスラインはゴール前2m(あんなのみたことない)。ノーサイド直前点差も開き時間もないのだからダウンボールしてキャリーバックに逃げてもいいようなものですが、そうしたら明治ボールのスクラムとなり「試合を捨ててもスクラムトライ」を許す危険がある。そこで早稲田はノックオンの危険も顧みずインゴールでオープンにまわしカウンターをしかけて凌いだのでした。いやあ凄かった。
 ラグビー人気が低迷し寂しい昨今ですが、満員の国立競技場をみるとわかるひとはわかっていて眼の肥えたひとたちはちゃんといるんだなあと安心します。やっぱり大学ラグビーは健在です。
 あえていうなら、提供のアディダスに媚びたような最近の薄っぺらいジャージはどうもなじめません。前夜に水杯をたたき割り塩で清めたジャージを涙ながらに受け取るのが早稲田ラグビーだとおもうのです。数年前、あるキャプテンの父親が息子に「明日はグラウンドで死んでこい。骨は俺が拾ってやる」という電報を送ったという逸話もあるほど。またハーフタイムにチアーリーダーがピーピーキャーキャー踊っているのも止めてほしいです。そんなサークル活動もあるのでしょうが、それはどこかよそでやればいいのに。ラグビーはアメリカ人の騒ぎとは違って馴染まないと思うのはわたしだけでしょうか。
それにしても今日は伝統と意地のぶつかり合う素晴らしい試合を見せてもらいました。

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