院長ブログ

21JAN

「ビスフォスフォネートと顎骨壊死」

2009年01月21日

整形外科の先生たちの勉強会に歯科医師会もお誘いいただいたので興味深く参加させていただきました。講師は阪大生化学米田教授。参加者50名中、歯科医がやや多いか。
%E6%95%B4%E5%BD%A2%E5%A4%96%E7%A7%91%E5%8B%89%E5%BC%B7%E4%BC%9A.jpg歯界展望に連載されていたのでよく読んで予習していきました。
ビスフォスフォネートとは整形外科の領域での画期的な薬なのだそうで、これで救われる患者さんは数知れず、それだけに顎骨壊死の危惧から休薬を求められるのは大問題なのです。全て解明されているわけでもないので仮説も多いものの、投薬の意義、問題点から対処への考え方まで明快になり頭のなかがすっきりしました。ピルは少し違ったみたい。
%E5%AF%BE%E5%BF%9C.jpg米田教授講演スライドより引用です。
スーパーハイリスク症例があったとして術前3ヶ月術後2ヶ月の休薬が必要。となれば骨折その他のリスクがあがる事になるから、その実施については他業種みんなでよくよく協議する必要がある、とのことで納得です。
 ただし「抜歯の絶対的適応症はないのではないか」という言葉には賛同しかねます。命に関わる否かまではなくとも例えば大腿骨頭骨折のリスクよりは顎骨壊死などごく局所的な小さな問題にすぎないでしょうが、やはり私は歯科医師なので、「歯なんてあってもなくても欠けていてもそれが拡大しようが、大きな問題ではない」とはとうてい思えないのです。それは歯科の立場の宿命かもしれません。

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