院長ブログ

12NOV

かつての「歯周療法学実習書」

2010年11月12日

私が大学生だった'83~4年頃の実習書(これは同級生に借りたもの)です。セピア色の表紙が30年の年月を物語り,それはそれで感慨深いです。当時「歯周療法」といえば「動揺する歯をいかに固定するか」に終始していたようです。
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表紙を広げ目次をみると、、、
*「歯齦切除手術」(いまどうかは知りませんが歴史と伝統の東京歯科では、歯肉は「歯齦」、歯肉頬移行部は「齦頬移行部」、セメント質は「白亜質」、エナメル質は「琺瑯(ほうろう)質」と称した)
*「金属線結紮固定法」*「塗蝋絹糸結紮固定法」*「A-splint」、、、。
すなわち実習のほとんど全ての時間を費やしている「歯周療法」の手技といえば「固定法」なのです。それが当時のEvidenceだったのかもしれませんが、こんなことでは大学病院では歯周病は治せない不治の病だったでしょう。
Lindheの教科書(英語版)の初版がこの翌年あたり。またその当時の長野県で、症例の観察から「歯は動く」(だから固定してはいけない)ことが見いだされたことは今世紀最大の大発見なのです。

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