24JUN
根尖病変~歯根破折
2009年06月24日
本ブログ検索条件人気No.1「歯根破折」です。
'96 6初診20歳代女性 主訴は右上臼歯部冷水痛でした。延長ブリッジ(前医による)ポンティック下の智歯がカリエスとなり歯髄炎です。ブリッジを撤去したらこの智歯が速やかに7の位置にまで挺出してきていることも興味深いのですが、注目は右上5根尖病変。その後 13年間の経過です。
'96 6右上5X-P透過像 根管治療〜'96 10病変縮小傾向
'98 11再発〜根管治療 '99 1ビタペックス仮根充
'99 3 根管充填 '00 3 病変縮小 その後数年間は安定をみていた。
'05~'09 フィステルを伴い病変が再発 マイクロスコープ下で歯根破折を確認。保存は断念
根管治療の成否はレントゲンで判断するしかなく、完治は難しいことは否めませんが、'98遠心まん中付近にあるペーストの溢出は側枝由来だろうと考えていましたが、実は既に歯根破折していたのかもしれません。近心延長ブリッジという少し無理のある設計が歯根破折の誘因のひとつかもしれませんが、今回は「犬歯切削を10数年間遅らせることができた」ことを評価したいものです。
歯根破折の抜去歯は魚の一夜干し用「背開き」と似ていると思いませんか?