院長ブログ

2006年6月のブログ記事

30JUN

マイクロスコープ

2006年06月30日

診療のシステムのなかでもう画期的な変革は望めないだろうとずっと思ってきました。ところが最近のヒットは近頃一部のマニアのなかで流行りつつあるマイクロスコープです。実勢価格はどれくらいか知りませんが、定価300万円くらいのものが多いらしく講習会なども開かれているようです。これを自分でお金を出して買うかといわれたら、あまりに高価で手がでませんが、私は10年ほど前からある方から無償で譲り受けて少しだけ使っていました。少しだけ、というのは照明装置が煩わしく、ピントを合わせるのも苦労するのに、視野をかえると照明の位置がずれて、、、ととても不都合でおっくうだったからです。
ところが、、、
口腔内撮影用デジタル一眼レフカメラに使うためにK先生が開発されたその名もK-Max。いかんせんデジカメ用としては少し照度が不足し、残念ながら全面実用化には至らなかったといろいろなひとのボヤキをきいていました。私もそのなかのひとりです。ずっと埃をかぶっていましたが、K先生のHPをみていてはたと膝をたたきました。ホームセンターでビス、カメラ量販店でレンズフードを調達し、マイクロスコープにとりつけると
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総工費1470円の追加でご覧のとおり世界で唯一(たぶん)完全コードレスのマイクロスコープになりました。今までのコードは文字通り無用の長物。視野は従来よりずっと明るい上ピントの調節もらっく楽!
支台歯形成、印象、歯周外科、根管治療、コンポジットレジン修復、歯根破折線の観察、MIのためのカリエスの程度の確認、露髄の観察 、、、その他これなしでは私の歯科臨床はありえないという生命線になってしまいました。現在の悩みは小型軽量化のために(と思われる)使っている電池です。4個で2000円とちと高すぎです。調子にのって何でも覗いているとすぐに消費します。誰にも電池代を請求できないし今更コードを引っ張るのは嫌だし、なんとかならないものでしょうか。

先日の外傷の修復同様、マイクロなしではこうはいかないという臨床例です。
ほとんど歯髄に届きそうな深いカリエス、精緻な作業によってこそただのCR充填にできました。いささか自画自賛ながら、きれいでしょう?
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26JUN

歯冠破折処置2週間後に

2006年06月26日

来院した小学校3年生。実は受傷直後、歯科に破折片を持参して受診したとのことですが、前医は「どうせひと咬みで外れるだろう」と接着はせずCR充填。お母さんは、他の誰かがなんとかしてくれないかと破折片を保管していたとのことでした。そんなわけで時間をおいてですがわが尊敬する同僚T先生の紹介で来院しました。
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持参した破折片を接着するかどうかを考えるうえで本人とお母さんとに伝えたかったことは
1。みっともないし対合歯の挺出も防ぎたいから、歯冠の回復はしたほうがいいと考えます。ただし接着剤で張り合わせてあるだけなので外れる覚悟は必要です。変色もするでしょう。
2。でも成長が終わるまで歯を削ったり被せたり、神経をぬいたりしないほうがいい。
3。もしうまくいかなかったとしても原状(歯冠は回復せず充填のみ)にならいつでも戻れるから、トライする価値はある。何度も外れて困るようなら、それからCR充填を考慮するのもよい。

前医による処置は、歯髄保存の観点からは成功といえるのではありますが、2w後とあってすでに数mm上顎中切歯が挺出していて咬合調整が必要でした。マイクロスコープ下で破折片を接着しました。
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どこまで真にご理解いただけたか不明ではあるし、いつ外れるかどうか予後の見通しもわかりません。お近くの方であればもし外れたらいつでも再接着するからすぐいらっしゃい、ともいうのですが、今回は遠方からみえたのでそうもいかないでしょう。ずっとフォローアップして経過観察したいところではあるのですが。

成長を終えるまで、なんとか時間稼ぎをしてほしいものだと切に願うところです。

25JUN

キジハタ38cm & アジ39cm 

2006年06月25日

アジは結構でかかった。今夜は刺身とヒレ酒で祝杯だ〜!
メギスと小アジは塩を振って干物ネットゆき。
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今日は一日中夕飯を楽しみにいていました。
幻の刺身、ヒレ酒、味噌汁、もう最高!どう?美味しそうでしょう?
明日からは禁酒して気合いをいれます。週末多忙につき道楽ネタは暫くお休みです。
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追伸:そして翌日の一夜干し。これも最高!
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24JUN

歯冠修復後の歯肉退縮とブラッシング圧

2006年06月24日

術前術後の歯と歯肉です。
このケースもブラッシング、マージンフィット、カントゥアーが不適切であったためそれらを修正しました。クラウンを全部で10数本作り替えました。左が術後、右が術前です。
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ところが半年後のリコールで、そのうちの1本だけ左上犬歯の歯肉が退縮したのを発見しました。患者さんが再発を恐れて一生懸命歯磨きしたのはいいけれど少し力が入り過ぎたことと、歯ブラシの方向が適切ではないようです
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歯磨き圧や方向、歯ブラシの選択を見直しました。1ヶ月後、大分改善しました。やはりそれらが原因となっていたのでしょう。時間を追えばもう少し回復する余地がありそうです。
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同じようなケースで、左が歯肉退縮、右下が回復。適切な歯磨き圧にコントロールできればこんなによくなる可能性があります。
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22JUN

歯周治療と禁煙支援

2006年06月22日

煙草が健康に煙草がよくないことを子供でも知っています。空港、駅などでも喫煙者は煙突の下みたいな肩身の狭い場所に追いやられています。いまや世界の常識なのです。歯周治療にも歯周外科にも悪いことはわかっているので患者さんご自身が禁煙してくれなければ我々歯科医には責任が負えません。煙草をやめてもらうことも歯科医の仕事のひとつです。「そんな堅いことばかりいって」なんていわれてもしょうがありません。
私も、患者さんに禁煙を勧めるにもかかわらず自分の指がヤニ臭ければ説得できまい、と自己暗示をかけ全く吸わなくなってから10数年経ちました。

ところである方の禁煙前後の歯肉の変化をみてください。3箱/日のヘビースモーカーでした。
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煙草と歯周病の関連をご説明しました。
1. ニコチンが歯周病原菌と戦う白血球の遊走阻止
2. 歯肉の線維化
3. ヤニが歯についてプラークが停滞しやすくなる

よく納得いただいたご本人の努力で禁煙に成功しました。後日私たちに数々の名言を残してくださいました。
1.「最近急に歯磨きするようになったし煙草やめた。『健康オタクになってどうしたの?』と職場で言われています。」
2. 「禁煙はじめた頃は辛くて辛くて、、、。灰皿のにおいを嗅いで紛らわせました」(これはすごい!)
3. 「(まきの)先生のおかげでハワイにいってきます。毎日1000円くらい吸ってましたので月に30,000円。半年で、、、、。煙草やめたらハワイなんか安いもんですわ」(でもこれは「煙草はやめない。肺癌で死ねば本望」なんていうひとにとっては些細な話でしょう「ハワイがどうした」といわれればそれまでの話。)

19JUN

だんだんせり上がる歯間乳頭部歯肉

2006年06月19日

石田補綴.jpg
プラークコントロール、マージンフィット、クラウンのカントゥアーに問題があった上顎前歯の修復です。

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正中の歯冠乳頭部歯肉に注目ください。セット直後、2年後、3年後、6年後。いわゆるブラックトライアングルを埋めるように歯肉がせり上がってきています。
「補綴はセット直後が最高。悪くなることはあっても良くなることはない」という言葉はあてはまりません。

19JUN

交通事故から13年後に審美補綴

2006年06月19日

堀井初診のpg
‘93年。この患者さんが10歳、車にはねられて意識不明の重体となり、気がついてみたら前歯が欠損していました。退院後、主治医であった寺田矯正歯科医院http://www.terada-ortho.jp/寺田康子先生を受診したそうです。両隣の歯を削ってのブリッジは先送りにするため、レジン歯をはりつけることでスペースと最小限の審美性は確保し成長が終わるのを待つことになりました。レントゲンでわかるとおり、歯髄腔が完全に閉鎖しています。
事故で前歯を失ったことは残念でしたが、すぐに幼弱な前歯を削ってブリッジにするのではなく侵襲の少ないレジン歯の接着でしのいできたことはとても大きな意義がある素晴らしい判断です。早期にブリッジにしていたら、支台歯の2次カリエスのリスク、またそのやりなおしを繰り返すうちに歯髄をとることになっていたかもしれませんし、歯頚部ラインの変化も当然考えられます。健全な歯を削る時期は遅ければ遅いほどよいにきまっています。これまで何度か脱離や新製もしてきたのでしょうが、最初の寺田先生の(いまでいうMIとしての)診断とその継続、そしてそれについてきてくれた患者さんに最大級の讃辞を送りたい。最良の選択肢です。

堀井術後のコピー.jpg
そして13年後。
「結婚式の日取りをきめることになった。人生最良の日にとびっきりの笑顔の写真を撮れるようきれいに治してほしい」というのが今回の主訴です。いまが補綴に踏み切るタイミングでしょう。
 逆に、例えば結婚式当日朝になって急にレジン歯の接着が外れたとしたら、患者さんはもちろん、術者としても生涯後悔することにもなりかねません。ここはあらん限りの知識と技術を振り絞って、最良の方法を選択してあげるべきです。
長い役目を終えたレジン歯を外し、キャスタブルセラミクスのブリッジで修復を行いました。Congratulations!

18JUN

キスの刺身

2006年06月18日

昨夜は思わず夜中まで飲酒してしまいましたが、子供たちとの約束なので朝4時集合です。夜明けからいい天気でした。万葉埠頭にて数は少ないもののお刺身サイズが一尾釣れました。キスの刺身はとろけるように柔らかく、白エビの刺身のようないまだかつてない超美味です。
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それにしてもこんな刺身を造れる主婦の腕。実は歯周形成外科を教えたらきれいな仕事をするかも、、、。

18JUN

ふえたクワガタ part2

2006年06月18日

幼虫も結構糞をします。冬の間、乾燥させず凍らせないよう様子をみながら飼育マット(腐葉土)を何度か替えてきました。幼虫発見から半年、写真撮影をしようとマットを広げてみたら、、、、小さい幼虫がさらに3匹増えているではないか!!未発見の卵があり、それが孵化したみたい。これらのうち何匹が無事成虫になれるのか、楽しみ。
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そういえば少し前、NHK教育でカブト虫の幼虫の研究の特集がありました。
カブト虫(クワガタも同じ)の幼虫といえばマットが食事であり寝床であり排泄物でもあるわけです。人間でいえば、ご飯のなかで寝てトイレもそのなかで、、、。そんな不潔ともいえる環境下で病気にもならず生育していくということは、なにかしら特殊な免疫機構が存在するのではないか、、、ということでそれが解明できれば抗生物質の効かないMRSAその他の打開という画期的な大発明となるのかもしれない。理学部生物学科研究室の研究最前線なのだそうです。そういえば幼少のみぎりから将来を嘱望されたKくんは、子供の頃からの虫好きが高じてT大学理学部に進学しました。近い将来大発見をして未だかつてない画期的な新薬の開発者となるのかもしれません。

18JUN

ふえたクワガタ

2006年06月18日

昨年夏。利賀でのファミリーキャンプから帰ってテントを畳んでいたら、一匹の♀のノコギリクワガタがのそのそ歩いてきました。「おい、クワガタが逃げてきたぞ。虫かごの蓋をちゃんとしめておかないと」「蓋なら閉まっとるわ」「あれ?それではこれは??」どうやらテントにくっついてきたようです。

秋になりカップルだった2組もみんな死んでしまいました。ところが「クワガタをいれていた水槽に卵みたいなものが、、、」「何か他の虫の卵じゃないか?」
そして11月。「大変だ〜!クワガタの幼虫がいっぱいおる!!」「どれどれ、本当だ!」
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数えてみたら12匹。テントにくっついてきたクワガタが卵を産んでいて、それも知らずに掃除を怠って放置していたらいつの間にか幼虫になっていたのです。
クワガタの幼虫飼育の鉄則
1。人間の手の雑菌で病気になる。手では触らない
2。けんかするので1匹ずつ別の容器で飼育する
百円ショップで容器を仕入れ、越冬の準備です。

16JUN

完全脱臼と予後14年

2006年06月16日

Aちゃん4年生がお昼休みに転倒して歯を脱臼してしまいました。'92 4月のことでした。
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わずかな粘膜で口のなかにぶら下がっていましたが、幸い歯槽骨の骨折は伴っていなかったので整復することは比較的容易でした。
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このあと根管治療を行い、歯は失わずにすみました。

それから時が経ち、14年後。小学生だったAちゃんは20代になっていました(そりゃそうか)。
外傷歯の経過としては良好で、脱臼した2歯はずっと機能し続けています。
ただいかんせん、失活した歯の色は変色がすすんできました。こんなときこそホワイトニングの適応症です。
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15JUN

露髄を伴った生活歯の歯冠破折

2006年06月15日

中学生の女子。養護の先生の指示で破折した歯冠を牛乳に浸けて持参されました。赤い歯髄が見えます。
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顕微鏡下でケミカルサージェリーを行いました。1時間かかりましたが、歯髄を生かしてあげることができました。まだ2週間と経過は短いですが、現在のところ経過良好です。しかししょせんは接着にすぎずこの先何度か外れてくることは覚悟しなければならないと思っています。まだ12歳、成長が終了するまでは失活しないでましてや歯冠は削らないでいきたいものです。
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11JUN

歯と歯肉の術前と術後

2006年06月11日

治療前:全顎にわたって発赤腫脹が著明です(Biological Widthを侵す骨縁下カリエス)
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治療後:健康な歯肉に回復しました。
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10JUN

マッターホルン

2006年06月10日

私と山登り談義に花がさいた患者さんHさんから写真をいただきました。奥さんとスイスへ旅行されたそうで、その写真集を持参されました。「どれでもどうぞ」とのこと。お言葉に甘えてそのなかから2枚をプリントしていただきました。青い空と白い雪が残るとんがった黒い岩肌のコントラストがきれいです。
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そのうちの1枚を診療室チェアーの前に掲けておいたところ、別の患者さんMさんが「同じ写真、おれももっとるぞ」といわれ、やはりプリントしてくださいました。こちらは朝焼けだそうです。山頂に朝日があたるこの一瞬を狙って暗がりから待ち構えているのだとか。
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そのうちまた別の患者さんKさんが「自分も同じ場所から撮った写真を持っている」といわれました。
どうやら撮影場所は有名スポットのようです。当院に来られる患者さんのなかだけですでに3組、共通項は60代のいわゆる熟年夫婦です。みなさんすばらしい第2の人生を楽しんでおられます。

09JUN

釣果と夕食

2006年06月09日

これは昨年6月。キス、カレイ、太刀魚(これはまぐれ)が釣れました。
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おかげで食卓はご覧の通りです。自分で釣った魚ほど美味しいものはありません。
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6月はもとより学会月で多忙のうえ、今年は特に原稿やら発表準備やらでめっちゃくちゃ。こんな美味しい天ぷら今年は何度食べられることやら。

09JUN

今年のファーストきすです

2006年06月09日

5/28講演会の朝、5時出発しましたが、風雨で早々に撤退しました。
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また来週

08JUN

けんか山車

2006年06月08日

今年伏木の祭りのポスターをよくみたら、、、
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07JUN

治療前後の歯と歯肉、レントゲン写真です

2006年06月07日

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07JUN

黄色っぽい歯を白く

2006年06月07日

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歯科医院(他院)の受付嬢です。幼い頃の薬によるものと思われる変色歯がコンプレックスだったようですが、にっこり笑ったときの白い歯に自信をもっていただけるようになりました。シンビシカも時にはいいかも。

07JUN

歯と歯肉の術前術後

2006年06月07日

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07JUN

自家歯牙移植で入れ歯を回避

2006年06月07日

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07JUN

インプラントで

2006年06月07日

両隣の歯を削ることなく欠損を修復
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03JUN

虫歯も修復物ももない永久歯列の姉妹

2006年06月03日

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姉(高3)

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妹(中2)
このふたりの物語は2006年秋出版予定 「デンタルハイジーン別冊」に掲載です。

03JUN

喫煙者の歯肉

2006年06月03日

メラニン色素の沈着を除去することもできます。
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02JUN

2006年06月02日

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Case2レントゲンのコピー.jpg

02JUN

重度歯周病2

2006年06月02日

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02JUN

重度歯周炎

2006年06月02日

患者さんのブラッシング、私たちのスケーリング&ルートプレーニングで歯肉の発赤腫脹が消褪し健康な歯肉が回復しました。
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そのレントゲン像です。
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