院長ブログ

2007年10月のブログ記事

31OCT

歯肉の変化を待つ、見逃さない

2007年10月31日

深いポケットを有する重度歯周病において、術後疼痛や冷水痛などの不快症状がなく良好な治癒に導きそれを再発させない秘訣は、ルートプレーニンングの開始時期にあります。『歯肉がブラッシングによって大きく変化したときに』『ポケット底から歯肉縁までの歯石を一気に』取り去って滑沢な根面に仕上げるのです。

浮腫性の歯肉、全顎にわたりpd8〜10mm、著しい動揺がみられる重症例です。
(下顎前歯部歯肉に注目ください)
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初診から7wブラッシング指導のみ。歯肉に変化はみられますが、あえてまだスケーリングはせずもう少し歯肉が変化するのを待ちます。
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さらにその3w後。浮腫性の歯肉が乾いた感じに変化しました。歯肉が治ろうとするサインです!この時を見逃さず、ポケット底から縁上まで1歯につき1回でルートプレーニングをします。
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1ヶ月後、プロービングデプスは2〜3mmに改善しました。
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メインテナンス3年が経過しました。再発もみられず安定しています。
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30OCT

Basic'07

2007年10月30日

デンタルスタッフがどうしても押さえておきたい項目を各医院持ち回りでまとめてプレゼンテーションするコーナーです。準備で産みの苦しみを味わうほど本当に身になった知識として定着することでしょう。

デンタル:寺田矯正歯科医院 規格性あるレントゲン撮影と保存管理へ新発想
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口腔内写真:やまざき歯科医院 急成長No1.スタッフ入魂の口腔内写真撮影法
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プロービング:近藤歯科クリニック こんなことも理解しよう
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生物学的幅径:立浪歯科クリニック デンタルスタッフなら全員図示が当然
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歯周組織の治癒形態:斎藤教授 無料で聴講はあまりに申し訳ない。いずれは出版物に
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シャープニング:かわかみ歯科医院 歯科衛生士として必要不可欠な技術その1
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ルートプレーニング:まきの歯科医院 歯周治療の技術の主役となる重要事項
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28OCT

'07スタッフミーティング

2007年10月28日

我が富山剱の会の年に一度にして最大のイベント「スタッフミーティング」を今年も呉羽ハイツにて7医院総勢34人で開催しました。
'07SMプログラム~.jpg
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新企画は挨拶がわりの「ひとり一症例」 2007企画は「ルートプレーニングの可能性と限界」です。
一昨年昨年と素晴らしい出来だっただけに今年はあまり多くは期待できないだろうと勝手に予測していました。ところが各医院スタッフの成長は著しく、数名がとても台頭してきたこともあり、終わってみれば今年もまたとても満足できる充実したミーティングでした。終了後参加者全員の晴れやかな笑顔が印象的でした。

26OCT

ポンティック下の骨 2

2007年10月26日

'93初診 左下56欠損 処置前.jpg
FCKブリッジを形成,セットした。

それから12年後の'05 歯肉疼痛を主訴に再来院。歯肉が5のポンティックにくいこんでいる
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'93 と'05のデンタルを比較すると皮質骨が大きくせりあがっていることがわかる。
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26OCT

ポンティック下の骨造成

2007年10月26日

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左:ブリッジ脱離で来院。セメントウオッシュアウトらしい。
 '90 ~'00 右下6ポンティック下に著しい皮質骨の造成がみられる
右:ポンティック下の歯肉疼痛を訴える。ポンティック下の骨に伴って歯肉もあがり、ポンティックに強く接するようななったためで、歯間ブラシ不使用による歯肉炎とは異なる。
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右下5歯根破折。6ポンティック下皮質骨が造成。
(光弾性実験の写真は「歯科臨床とバイオメカニクス」伊藤秀美訳クインテッセンス出版 より引用)
上記3症例の共通項はクレンチングが強いKr.であること。
ポンティックと支台歯間に応力が加わり続けると、ポンティック下の骨が押され、その結果として皮質骨が造成をきたすことは、バイオメカニクスから説明できそうである。

23OCT

アオリイカの色

2007年10月23日

生簀で泳ぐイカ これが本来の色なのかも
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まな板のイカ 生きたまま持ち帰るとこんな透明なんです!このまま刺身にするとほんとに甘くて美味い。
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開いて干す事一昼夜。軽くあぶればこれまた美味い。
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20OCT

遊離歯肉移植術の予後

2007年10月20日

2000 年4月初診。30歳代女性
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クラウンを撤去すると2次カリエスが骨縁下にまで及んでいました。
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APF&Free Graft
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プロビジョナルを経て5ヶ月後にクラウンセット
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2007年。術後7年経過メインテナンスです。
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安定しています。

16OCT

アオリイカの沖漬け

2007年10月16日

醤油、日本酒、みりん、タカノツメを予め用意してアオリイカ釣りです。
墨はもちろん水も充分吐かせたうえで、生きたままそのたれにぶち込みます。
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ひとしきり水を吐く音が聞こえ、やがて静かになります。そして待つ事2日。
こんなみごとな沖漬けができあがりました。
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たれを腹一杯に吸い、たれが身体の内外から浸透したイカは見かけは少し悪いが超美味!
お酒がいくらあっても足りません。

14OCT

ハチメ

2007年10月14日

朝一番、強風とうねりに苦しみましたがかねてから念願だった大泊沖のポイントがようやく確認できました。柳バチメ.jpgカサゴも.jpg
なんといっても今日一番の収穫は、同乗のSさんの父上から教わった秘伝の餌「ゴリ」。ショッキングピンクのサビキの色もこれからの必携アイテムです。
この他に餌取りの通称「沖女郎」が30匹くらいも釣れてしまい辟易。あいつらさえいなければ、、、。

そのころイカ釣り自慢のGさんはアオリイカが好調だったらしくこんな大きいイカが多数。
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今日行けなかった数人には申し訳ないほど、お天気もよく魚も釣れる実にいい日でした。
アオリイカの沖漬けのことは後日レポートいたします。

12OCT

悪性腫瘍?

2007年10月12日

’9010初診 50歳代男性
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歯周治療を勧めたが、応じず中断した。

5年後 '95に再来院したが、骨吸収はすでに根尖をこえて進展していた。
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病理組織診の返信は「扁平上皮癌」
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癌センターにて癌病巣摘出および下顎骨片側離断術、しかしその数ヶ月後に亡くなられた。

類似ケース 60歳代男性
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デンタルでは前回のケースと見分けがつきにくい。抜歯後すぐに病理組織診を依頼した。
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No Malignancy の文字に胸をなで下ろした。

08OCT

豚骨ラーメン

2007年10月08日

昨日は自治会対抗運動会で一日つぶれてしまったため、今朝日の出とともに出漁し釣りたての魚でぜいたくな昼食を目論んでいました。ところがよもやの不漁。あ〜あ、せっかくの連休だってのになあ。
そこで豚骨ラーメンです。ダッチオーブンに豚の下顎骨をまるごとぶちこんで
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煮立てること数時間。こんなに濃厚なスープです。豚のヒゲまで煮え立っています。
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行列ができるラーメン屋でも絶対こんな美味いラーメンは食えません。
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豚骨を煮ている時間にビールのつまみも作っとこ、ってことでスモークベーコン&スモークチーズ。
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しまった!チャーシューも作ればよかった!!
う〜んこれはもう一度やらねばしゃあない。

08OCT

外交官 奥克彦氏

2007年10月08日

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2003年12月、日本人の外交官奥克彦氏がイラクで銃撃されたというニュースで、早稲田ラグビー部OBという文字をみたとき、以前ラグビーマガジンに連載されていた「オックスフォード通信」の筆者だ、とピンときました。
奥氏も宿沢氏同様、ラグビーだけのひとではない。高校ラグビー花園出場〜早大政経学部入学ラグビー部〜外務公務員上級試験合格〜オックスフォード大学留学、ラグビー部で日本人として初めて公式戦出場 とまさに文武両道なのでした。奥氏の天性の美点のひとつは国籍問わずだれとでもすぐに親しくなれること、イラクでわずか半年の間に,アメリカ人英国人オランダ人イラク人、、、どこへ行っても友達がいて周囲は驚かされたそうです。いろいろなひととのつながりをつくってゆくコミニュケーション能力が抜群なのです。
 奥氏がテロリストの目標リストに載っているといわれるなか、イラクでの外交官としての活動で強い意志を表わす象徴的な言葉は「日本人が口先だけの国際貢献を唱える連中なのか、リスクを冒してでもイラクを助けようと思っているのか、ここは正念場です。ラグビーに例えれば口先ばかりで全くタックルにいかない連中と試合をしているようなもので信用以前の問題。大胆かつ繊細にやろうと思っています」でした。でも奥氏は英雄ぶって死んだのではない、自分のやるべきことをやろうとして徹底的にがんばりすぎたのでしょう。
ラグビー界も外交上も日本は貴重な大樹をひとつ喪った。

この本の著者松瀬学氏の早大プロップ時代のプレーもよく憶えています。前著「早稲田ラグビー再生プロジェクト」はとても好著でした。

05OCT

エナメル上皮腫の予後

2007年10月05日

初診当時30歳代女性 右下臼歯欠損部にブリッジによる補綴(‘94)
7年後、ブリッジポンティック下部の腫脹を主訴に来院した(’01)。
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パントモにて右下顎骨にX線透過像が認められる。
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T市民病院歯科口腔外科を紹介。病理組織診の結果はエナメル上皮腫との診断だった。
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全麻下にて摘出術を行った。

6年経過。他の主訴で再来院(’07)。
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経過良好。X線上で骨の再生が認められる。

01OCT

「努力は運を支配する」宿澤広朗

2007年10月01日

「宿澤広朗〜運を支配した男〜」加藤仁著 をほとんど一晩で一気に読みおえました。
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(故)宿沢氏といえば「(スポーツ推薦ではなく)一般入試から早大政経学部に入学し一年生でレギュラー」「日本代表伝説のスクラムハーフ」「W杯で日本が唯一の勝利した監督」としてしか知らなかったが、住友銀行の全戦全勝のディーラーとして名を馳せる一流の銀行マンで専務取締役(!)やがては頭取と目されていたそうです。「脳まで筋肉」のスポーツ○カではない、ラグビー+銀行と両方で頂点を極めることのできるひとも世の中にはいるものなんだと驚いた次第です。
『早稲田スポーツの目指すべき理念は、英国同様スポーツを通じて各界のリーダーを育てることにあるべきだ。強いだけではダメだ。常に理念を意識して継承していかなければならない』のだそうでスポーツ活動により自分は従来の経営トップとは異なるリーダーとして養成されたという自負が宿澤氏にはあったようです。
一橋大学の理念 Captains of Industry 、早稲田ラグビーはそれと同じようなものらしい。

この本の記述で一点だけ訂正したいところがあります。
ラグビー日本代表の監督としてワールドカップでジャパンがジンバブエに勝ったとき、テレビ解説をしていた日比野弘さんが「宿澤くんおめでとう」といったと書いてありますが、これは間違いです。「シュク、おめでとう!」といったのです。私はリアルタイムできいていてはっきり憶えています。(どうでもいいことですが)

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