院長ブログ

08AUG

訃報:Mr.タックルマン

2009年08月08日

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 〜世界No.1のFB「赤い悪魔」のJPRウイリアムスに壮烈なタックルを見舞う石塚:昭和50年9月21日 日本vsウエールズ〜

「ウエールズは力一杯日本選手を蹴散らし、踏みつぶすのが国際試合の礼儀だといわんばかりにスタートから一気に襲いかかった。彼らが突進したあとに必ず日本選手が地にうずくまるシーンが連続した。82-9の記録的な大差がついて、ファンは重苦しい絶望感に襲われて声もでなかった。そのなかでただひとり、死に物狂いのタックルを続ける小さな男ー石塚だった。ハイライトは後半。100m10秒代の足を持つ世界一の俊足ウイングJJウイリアムスが左サイドを快走してゴールへばく進した時だ。するするとそこに近づいた石塚の小さな姿にはじめ気がつくファンも少なかった。気がついたとしても所詮は無駄な抵抗にすぎない。身体が足が全てが違う、、、。が、石塚は追った。そしてゴール寸前、まるで豹のようにみをかがめてウイリアムスに飛びかかったのである。バックリ横倒しになったウイリアムスが自分の腰にくらいついている小さな男を意外な顔つきで見直したのと、大観衆が爆発したのは同時だった。このひとつのプレーで惨敗は救われた。感極まったファンは試合後、グラウンドになだれ込むと石塚めがけて殺到し、その身体を持ち上げると勢いよく宙に放り投げたのだった」
〜「熱闘!早稲田ラグビー:荒ぶる魂の記録 」昭和52年講談社荒ぶる編集部 より〜

30数年前、私はこれ↑を読んで感動したのです。石塚氏は169cm70kg,チビな私とそう変わらない、なのに190cm95kgのJPR(外科医にしてウエールズ代表FB)を倒すのだからこれには憧れました。自分も「背番号7」になるしかない!当たり負けない強い身体を作るために人一倍のウエートトレーニングをしたのも、個人練習「千本タックル」もそのためだった。JJをタッチ際に追い込みタックルにはいった連続写真を何度も何度もみて走るコースを研究しイメージトレーニングをしていました。(今にして思えば恐ろしくアナログ!)
 その元ラグビー日本代表石塚武生氏が突然死症候群で亡くなられたそうです。享年57歳。ご冥福を祈るのみです。

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