院長ブログ

カテゴリ「 '06アメリカ歯周病学会」のブログ記事

23DEC

Mexican Dentists

2006年12月23日

ティファナにはなぜか歯科医院がメッチャクチャ多くあります。
アメリカ国境を越えてしばらく行ったところに向こう3軒両隣が歯科医院という通りがありました。きっとここは特別なところなんだろうと思っていたら、そうではなく、少し行くと同じように一本の通りに何軒も歯科医院がまさに「軒を連ねて」いるのです。メキシコではいったい人口の何割が歯医者なのだろう、、、。
 町の観光は30分もしたら飽きてしまい、かといって迎えのバスは2時間後。
他に何もすることがないので歯科医院めぐりをすることにしました。
 そのうちのいくつかをご紹介します。どこかの国の歯科医院と似ているところもあるかもしれません。

謳い文句は多様です。
「英語がしゃべれる!」
「歯科一般、矯正、補綴、歯内療法、口腔外科etc.(いろんな歯科の科目に対応します)」
「ザ シンビシカ!」
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不思議なのは歯医者とメガネ屋を同じ店舗でやっているところがいくつもあることです。ショーウインドウに眼鏡のサンプルと石膏模型が一緒に並べてあるのです。
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「こんにちは。日本から来ました。私も一応歯医者です。あまりに素晴らしいオフィスなので写真を撮らせてはいただけませんか」「ああいいよ。せっかくだからよく見学して行きなさい。名刺もってない?残念。これが私の尊敬する院長(父)だ。院長が大学を卒業したときの写真。優秀だったんだぜ。このチェアーなんか父の代からもう50年も使ってる。掛けてあるのは50年前の写真。この機械、知ってる?アメリカから買ったんだあ。こうやってホワイトニングするんだぜ、すごいだろ」
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ヒマにまかせてたくさんの歯科医院を覗きましたが、共通項がひとつあります。
診療時間内だというのにどの医院にも患者さんがひとりもいないのです!
みんなどうやって生計をたてているんでしょう。

04DEC

ティファナ

2006年12月04日

メキシコのティファナまではサンディエゴから車で40分くらい。学会最終日を終えたらチョロッと行こうと思っていました。遠くもないことだしたかだか半日のこと、自分で勝手に行けばいいやと思いホテルのフロントでトロリー電車の時間をきいていました。すると横にいたアメリカ人のおばさんがいいました。Hi,Doctor. My husband is also a dentist. Are you going to Mexico ? I would like to advise you not to go to Mexico alone. Be careful. Be careful.(せんせー。私の旦那も歯医者よ。同業者だから私の言うこと信じなさいね。あなたメキシコにいこうとしてるみたいだけど、一人で行くのは止めた方がいいかも。ようく用心なさいな。)
アメリカ歯周病学会のバッグを持っていた私がよほど危なげで無防備な奴にみえたらしくみかねて親切に忠告してくれたのでしょう。Thank you very much for your kind advice. バスツアーを申し込みました。

国境を超えたというのにメキシコにはいるときは入国審査もありません(アメリカに帰るときはあり)。バスを降りるとそこは本当にアメリカとは全く異次元の世界。
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どちらかといえばパキスタンや東南アジア等のどさくさにも似ていました。でも寡黙なパキスタン人と違い、人々はやけに明るくハイテンションです。拳銃もったお巡りまでもがカメラ目線でピース!です。こういうのをラテン系というのかな。
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小柄な人が多く、私のようなチビでもここでラグビーをやれば「巨漢フォワード」になれるかも。英語は全然通じないかわりに「オニーサン、ヤスイヨ〜。ホトンドタダ!」なんていってきます。変な日本語を教えた悪い日本人がいたのでしょう。立ち並ぶ店に「いろんなものが売っているけれど買おうかなと思えるものはひとつもない」ことは中国シルクロードのバザールにも似ていました。違いと言えばシルクロードのバザールのは悠久の昔から連綿と続く彼らの日用生活品、こちらは観光土産であることでしょうか。
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28NOV

AAPF 5K Fun Run/Walk

2006年11月28日

私は元来早起きで、目覚まし時計がなくても4時でも5時でも自然に眼が覚めるし、アメリカでは飽食して肥満になりそうなので、ジョギングシューズと短パンを持参して到着翌日から毎朝1時間程度走っていました。アメリカ人にも早朝ジョギングマニアが結構いました。そんななか学会が始まる前の早朝にジョギング大会が企画されたのでそれに参加しました。記念Tシャツの文言がふるっていて 
 Perio : It's not just a job, It's an adventure. 
これが一番「歯周病学会」らしかったかな。このフレーズいただきだ。
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 120人くらいで走って終始いいペース。最後はダッシュしてゴールした私は8位!なあんだ結構いいじゃん、、、とおもいきや、なんとゴールに止まったのは私ひとりなのです。なんのことはないそこはゴールなんかじゃなく1マイル(1.6km)の通過点にすぎなかったのでした。みんなまだ黙々と走り続けるではないか。私はがっくりへたりこんでしまいました。しゃあない、もちょっと走るか、、、。ホウホウのていでやっとの思いでゴールしたのでした。情けなや。
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その後にハプニングです。ハーハーいいながら水分を多量に補給してようやく回復し、そこらにいたひとたちと談笑していたのもつかの間、ひどい目眩と冷や汗がでてなんだか普通ではないのです。どうしたのだろう、貧血?そんなことないな、こんな経験したことない、、、。
幸い大事にはいたらず30分程度で回復しましたが、なんとも不可解。学会会場へ行き、ばったり会った徳島のM先生と話していたら全く同じ症状だったというのです。しかももっと重症だったらしい。おかしいよね、と共通項を探ってみたらふたりとも丸かじりしたリンゴが怪しいということになりました。洗ってないらしく周りについている農薬が原因に違いない。彼はレース前にも1個食べたので走っている途中からすでに具合が悪くなったというのです。歯科医ですが博識な彼は英語も堪能なうえ医学一般にもとても詳しく薬も各種もっていて「これのんだらいいよ」と手ぶらで無防備な私にもわけてくれました。ありがと〜!
 カリフォルニアのオレンジは農薬がいっぱいの恐れあり!食べるときはよく洗ってからにしましょう!!

19NOV

QUALCOMM STADIUM

2006年11月19日

スタジアムに足を踏み入れると思わず息をのんでしまいました。ご覧くださいこのスケール。向こう側からみたら私自身もこんなけし粒のひとつにすぎないわけです。
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この数万人の大観衆が全員終始ハイテンションで盛り上がり続けています。パスがひとつ通るたびインターセプトするたび嵐のような大声援。今日もまたホームであるSANDIEGO CHARGERSの圧勝でしたからタッチダウンごとに全員が立ち上がり大騒ぎで巨大スタジアムが揺れてみえました。
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 アメリカンフットボールの「巨漢が激突する豪快さ」、チアリーダーやハーフタイムショーなど含めた「華やかさ」こそがアメリカ人にぴったりな雰囲気なのでしょう。やはりアメリカ人が好むのはラグビーやサッカーではないのです。

16NOV

AmericanFootball Game

2006年11月16日

「ちょうど今週末、サンディエゴチャージャーズのホームゲームがあるのだけれどアメフトは人気が高くいつもSold Outらしい」との噂をききました。
試しにと思い、ホテルのフロントできいてみたところ「入手はできるが$170」とのこと。「高いなあ」とやめるそぶりをみせると「ちょっと待って」と何やら電話で相談し「$110でどう?」となりました。
アメリカンフットボールの試合をアメリカで見る事にこそ意義があるわけで、これ以上値切ってもしようがない、購入をきめました。翌日手渡されたチケットをみると$79。差額はどこへ、、、まあいいや。ここは目一杯エンジョイしよう。
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学会をそっと抜けるとタクシーで高速を飛ばす事30分。運転手の「ゲームは何時キックオフだ?間に合わせてやる。今季のチャージャーズは無敗だ」との自慢話をきいていたら巨大なスタジアムがみえてきました。郊外にあるためか多くは車でくるらしい。広大な駐車場には数千台(!)とも思われる車がひしめきあっていました(駐車場の光景を写真に撮れなかったことは残念)。帰りはどうなるのだろう、渋滞は半端じゃない、、。
 スタジアム周辺はキックオフ前の期待と興奮から地鳴りのような歓声につつまれ騒然とした雰囲気でした。私は思わず子供のように興奮し、スタジアムのエスカレータがもどかしく2階席まで急いで駆け上がっていきました。

06OCT

「武士道」

2006年10月06日

American Dentistryと日本の歯科医療、アメリカ人歯科医と日本人歯科医の間でどうしてこうも歯牙の保存と抜歯の基準が違うのだろう?
よくいわれる経済性、予知性と訴訟社会、健康保険制度の違いの故なのか。
そんな疑問を解決してくれるヒントが2冊にちりばめられていました。
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歯科医の考え方というよりも両国国民の心の奥底に歴史によって育まれ根付いた国民性だと思われます。
ゴールドラッシュを求めて海をわたって上陸して合衆国を築き、有色人種は「安い労働力としての商品」でしかなかったアメリカ人にとって、純粋に「お金」を追い求めてAmerican Dream を成し遂げることはわかりやすい目標だったし「強いアメリカ」において将来的にもぶれることはない正義なのです。
近い将来、世界的に歯科の目が「予防」に向いてもアメリカだけはおおかわりしないのではないでしょうか。 
 かたや私たち日本人には「勇」「仁」「礼」「誠」「名誉」「忠義」に鑑みてしまう心根があるのです。これら武士道の精神は、明文化された教本があるわけではないのですが、なにかにつけて子供の頃から教え込まれて私たちの身にしみついた教えといえます。「商人道」とは異なるので「武士は喰わねど高楊枝」だったり「二言はない」ことにもなります。

 どちらがいいか悪いかでもなく、歯科医のサイドのみならず患者さんサイドも同じ考え方なのですから、それでいいのでしょう。
でも自分が患者さんだとしたらどうでしょう?私だったらどちらの治療を選択したいかはっきりしています。自分がAmerican Dentistry を直輸入したような歯科臨床やそんなグループに、言葉では説明できない違和感をおぼえなじめない訳がやっと理解できました。
 でもその一方で和魂洋才。考え方は別チャンネルとして、よりよい技術や材料をいち早くいただいてきて適応症によって使い分けることができるなら、これは金棒(かなぼう)、鬼手仏心でしょうか。

「離れたところの違う考え方を通して自らの足許を見つめ直す」目的の一部は今回のアメリカ行でかなったようです。
「武士道」。日本が世界に誇れる名著です。難しい本ではありませんので、みなさんぜひご一読のほど。

01OCT

「ホワイトニング歯磨き」その後

2006年10月01日

「あれ〜、僕の歯が白くなった〜!」「何?どれどれ見せてみろ、、、、ほんとだ、確かに白くなっている!」
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眼で見てわかるくらい漂白効果が現れています。以前は黄色っぽい歯でした。お土産に買ってきたスパーダーマンの絵が書いてある歯磨剤と、Oral-B REMBRANT というものを半々に使っていたんだそうです。2種類のうちいずれの効果なのかは不明ですが、こんなことなら使用前にシェードガイドを写し込んだ規格写真を撮っておくんだった、、、。

その後、自分の歯に興味が増して熱心に鏡を覗いている姿がみられるようになりました。
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歯が白いか黄色いかということよりも、そんなことから自分の歯に関心が高くなるのだとしたらそれは副次的ながらとてもよい効果です。これってもしかしたら患者さんの心理にも共通することかもしれない。「ホワイトニングを利用した通院したくなる医院作り」なんていうフレーズはちゃんちゃらおかしい私は美容師ではない、と思っていましたが、あながちそうでもないかも一理あるのかもしれないなあなどと考え直しました。

そういえば以前試してみて効果の高かったホームホワイトニング剤もR社でした。
日本に売られている歯磨剤にもホワイトニングを謳ったものが多いですが、あまり効果はみられないとのこと。薬剤の効能として日本製がアメリカ製に劣るはずはない(と思いたい)ので、きっとアメリカ製は漂白剤の含有量が多いのでしょう。

01OCT

Silent Auction

2006年10月01日

こわは初めてみたシステム。メーカー各社の提供で商品や講習会の名称がいくつか掲示してあり、それに競争入札して高価な商品を激安に買えるチャンスがあるわけです。
私は3i Ossix $500分に最高値で入札してきました。会場が閉まる直前でしたので次の入札者はなく多分落札したはずです。後日電話がかかってくることになっていますが帰国後1w経った今日現在まだ音沙汰ありません。事情通の話では「いいかげんな国なので1ヶ月も経ってから急に電話があるのでは?」とのことです。どうなることやら。
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29SEP

from JAPAN

2006年09月29日

1. プレゼンテーター:二階堂雅彦先生西堀雅一先生
 二階堂先生はリアルタイムPCR法による侵襲性歯周炎の診断と治療、西堀先生は重度の歯周病による咬合崩壊を歯周治療、矯正、インプラント等を駆使して再構成された症例そしてそこからの考察でした。
お二人ともさすがアメリカ留学経験者、EBMに則ったプレゼンテーションは完璧だし、アメリカ人からの質問やディスカッションにも堂々と受け答えされる姿はカッコよすぎでした。
そして何よりアメリカのPeriodontistの注目からは外れかけているかのようにみえる歯周病罹患歯保存のこだわりは同じ日本人歯科医としても誇れることだと思います。
 二階堂先生はかつてのクラスメートからOh,You’re Speaker!(すげっ、発表するんだね!と聞こえた)といわれていました。やはりAAPで発表するのは光栄なことなのでしょう。
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おふたりともさすがに顔が広く、外国人日本人含むかつてのクラスメート、現在アメリカ在住の留学生らが多数自然に集まってきます。お二人のおかげでいろいろなひとたちを紹介いただき、私まで輪が広がりました。おおいに感謝です。
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各大学ごとの留学経験者OB会等も開かれたようでした。彼らの結束は非常に強く単に同窓というだけとは話しが違うようです。言葉もよくわからない心細い異国で歯をくいしばるようにして頑張っていた頃お世話になり助けてもらった先輩はきっと命の恩人のようなものでしょう。

2. 親子で学会:谷口威夫先生中村輝夫先生
我が師と仰ぐ谷口先生
日本歯周病学会理事にして日本歯科医師会生涯研修セミナー講師。日本の中でも最もConservativeな臨床家のひとりと目される谷口先生とAAPはどうも結びつかないように思えるのですが、Jr.崇拓先生がペンシルバニア大学留学から昨年卒業帰国され、親子で診療されています。
向こうからかつてのクラスメートであるという外人が「Oh~!TAKA!!Nice to meet you!」なんて駆け寄ってきて抱き合って再会を喜んでいる息子の姿を眼を細めるようにして眺めている谷口先生の横顔。いいな〜と思いました。
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火曜会中村輝夫先生
中村先生Jr.は臨床歯科を語る会現須貝実行委員長須貝昭弘先生オフィスに勤務だそうです。今回は親子で一緒に学会、ついでにオプショナルツアーだそうです。こちらもまたうるわしい話です。
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父親の背中をみて進路を決めるのは息子ですが、父親自身が直接指導しなくても,その後の進路について的確なアドバイスができるんだなあということがやっとわかりました。何の職業でも2世が有利なのはこんなことにもあるのでしょうか。初代ではそうはいかずどうしていいかわからないで右往左往するうちに歳とってしまうことが普通ですから。

3.Surprising Presentation
今大会一番と私が勝手に認定した報告は大阪大学村上伸也教授でした。
話す英語も素晴らしいものでしたが、内容はもっと驚異的でした。
FGF2と命名しているgrowth Factor 開発の途中経過ですが、根尖近くまであった骨欠損が埋まり厚みまで増しています。
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紹介してもらってご本人に確認したのですが、フラップをあけてそのジェルを塗布しただけとのこと。
「私の運がよければ3〜5年中に実用化できる」とのことでした。
もしそうなればPerio.の世界では革命的です。

29SEP

Whitening1

2006年09月29日

奇しくも「デンタルハイジーン」「日本歯科評論」同じ月号にホワイトニングに関する特集が組まれています。我々田舎の歯医者には適応症と思えるものはそう多くはないですが、都会ではホワイトニングを主力にしている医院もあれば、歯科医でありながら通常の歯科臨床は行わずホワイトニングやクリーニング等エステティックな施術のみ行っている店(医院?)もあるそうです。
 ホワイトニングの概念も術式もアメリカから持ち込まれたものでしょうが、普通のスーパーの一角に各種ホワイトニングキットが安価に売られていました。以前渡米した友人にひとつ買ってきてもらい、試したことがありますがホームホワイトニング剤としては高価な歯科メーカーのものでなくこれらで十分使えます。
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練り歯磨きにしても大半が Whitening を謳っています。アメリカ人には白い歯願望が強いことがわかります。「虫歯になるから甘いものは食べない」といっている私がお土産にチョコレートを買って帰るわけにもいかないので、これらホワイトニング剤入りの歯磨剤を各種買って帰ることにしました。
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28SEP

Presentation 2 

2006年09月28日

小会場でのプレゼンから。
1.岐阜大学農学部Dr.ラーマン。バングラデシュ人細菌学者。非常に流暢な日本語が、容貌と全くそぐわない。
彼は、鶏を使ってペリオとカリエスの抗体を生成することに成功したのだそうです。これを人間に応用すれば歯周病や齲蝕に罹患しなくなる。私のわずかな知識「菌交代現象なんて起こらないのか!?」には「口腔内常在菌を全部死滅させるのではなく、ペリオ菌あるいはカリエス菌のピンポイントだからそれは一切ない」とのことです。
認知されればノーベル賞(!)ものなのだとか。臨床応用としては、ペリオクリンみたいなジェルもしくはガムや歯磨き材などに混ぜるのがいいのではないかと(ガムの)L社あたりがラブコールだそうです。
私は歯科医として「それは大変素晴らしい。でも歯医者の頭上を飛び越えて菓子メーカーが独占販売というのでは困る。できれば歯科医の主導で、、、」とお願いしました。
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2.Dr.ジェイソンヤマダ ロマリンダ大助教授。こちらは日本人顔貌ですが英語です。
われわれが好んで使っているソケットリフト、オッセオトームテクニックはSinusの皮質骨を槌打して骨折させるわけですが、その発展型。ソケットを掘った後、洞底部からシュナイダー膜を独自のツールで少しずつ挙上して吸収性メンブレンをおきグラフト材を填入する、というものです。万一穿孔してもメンブレンでフォローができる、なるほどこれは患者さんに優しいテクニックです。近日中に日本でセミナー開催も企画中のようです。
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27SEP

Presentation 1

2006年09月27日

「歯周病学会」にもかかわらず、プレゼン内容の大半はインプラント関連です。最先端といえば「サイナスリフト&グラフト」「ボーングラフト」のようです。歯周病罹患の歯牙をいかに残すかではなく、さっさと抜いてインプラント、なのだけれどもいままで埋入不能だった部位をどう拡大するのか、というのが興味や関心の大半なのです。

以下は数人でのランチタイムジョークです。
「アメリカ人のペリオは前歯部しかないみたい」「根分岐部病変なんて実験動物の歯にしかないよね」「彼ら(アメリカ人の歯医者)には初期の歯肉炎くらいしか(Perio.は)治せないだろうなあ」「再生療法に用いるジェルが3万円?そんな不確かなものにお金を払うよりインプラントのフィクスチャーの方が安い。簡単だし」「おいおい。もうアメリカかぶれ?」
general session で天然歯周囲にまつわる話題にふれていたのはほんのごく一部、日本人演者のみといっても過言ではないようでした。そんななか新潟大学吉江教授が発表された内容は「再生医療を用いて結合織のシートを培養しグラフトする。ドナーサイトの外科的侵襲が最小限に軽減できる」というものでした。
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対照的にあるブースでは口蓋から結合織をごっそり採取するビデオが繰り返し流されそれを数人がメモをとりながら熱心にみいっていました。

26SEP

Exhibition

2006年09月26日

会場1階の業者展示会では、プレゼンの内容を反映するかのように大半はインプラント関連のものでした。後でお伝えするパーティーのスポンサーでもあるのでしょうがないのではありますが、かなり辟易します。
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クイントの書籍コーナーには佐藤直志先生の著書が正面に展示されていて少し驚きました。ご本人から「アメリカで「perio.mad.(ペリオキチガイ)とよばれた」ときいたことがありましたが、アメリカでも評価されていることを再認識しました。
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数ある展示商品のなかでなんといっても目新しく私が興味をもったのは、Piezo Surgeryです。
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要するに超音波スケーラーにノコギリのようなチップをつけて、皮質骨を切削するのです。「見てもわからん、やらせて!」が身上の私ですから衆目を背中に感じながらも試させてもらいました。
1.生卵を上顎にみたててサイナスリフトのウインドウオープン。
2.豚頸骨でボーングラフトのドナー採取
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その結果は
1.「硬組織は削れるが軟組織は損傷しない」というとおり約5分で卵の殻が内側の薄皮を残して取り外すことができました。
2.モードをあえていくつか変えてみましたが、熱傷なく皮質骨を削り移植片を採取することができました。
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これさえあれば、外科のスペシャリストではない私にもサイナスリフトやボーングラフトを安全にかつ割と安易に行うことができます。問題はそのコスト。あまりに高くてちょっと手が出ません。チップだけ買って、当院にある3台のスケーラーのいずれかにつけられればいいのですが「It will not work.(そりゃ使えませんよ)」と一笑に付されてしまいました。
一日も早く安価な価格設定での日本発売を希望しています。

24SEP

San Diego Covention Ceter

2006年09月24日

今回のアメリカ歯周病学会は日本歯周病学会と共催です。
AAPはアメリカ東海岸、中央、西海岸の3地域で持ち回りなので、3年に一度西海岸になり、日本から近い西海岸で開催されるときに「共催」になるそうです。ちなみに3年後はシアトルの予定だそうです。
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今回の登録人数は5,000人。うち日本人は300人程度とのことでした。
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全体会ともいうべきgeneral sessionの会場は4000人くらい入るのではないかという大きさ!体育館を3つ直列に並べてつなげた、といえばわかりやすいかもしれません。とにかく遠すぎて演者が見えない。何か所かのモニタースクリーンで見ることになるわけです。でっかい。
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23SEP

サンディエゴ

2006年09月23日

高岡〜(ちょっとしたミスから)名古屋〜サンフランシスコ〜(空路)サンディエゴ
わがオジバンド、ジェノーズのレパートリー「カリフォルニアの青い空(アルバートハモンド)」が頭のなかで聞こえてやまず、海風の心地良い小さな町でした。アメリカ人に対する私の勝手なイメージとは異なり、Excuse me. やYou are welcom.という言葉が口癖のような穏やかな人たちが行き交いました。

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Meetingの会場 SANDIEGO Covention Center に隣接するMariott Hotel & Marina は美しいクルーザーが数十艇横付けされていましたが、売り出し中の船になにげに7,000万円(!)の値がつけられていました。停泊中の船の総額は何十億円になるのか、と邪(よこしま)な想いが頭をよぎりました。
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アメリカでは飽食で身体に悪かろうとジョギングシューズを持参しましたが、夜明けは6:40頃と遅く、目覚ましなどなくとも毎朝四時五時に目が覚める私は暗がりでのジョギング、ウォーキングとなりました。会議は8:00からなので、夜明けからわずか1時間の間に頭のスイッチを切り替えねばなりませんでした。
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22SEP

アメリカへ

2006年09月22日

AAP(アメリカ歯周病学会)へ行こうと思ったのはAmerican Dentistryに憧れたわけではありません。むしろAmerican Perio.は私の眼からはオーバートリートメントにみえることがしばしばでした。
 卒直後で右も左もわからなかったころ、ある先生が「しばらくイエテボリ(スウェーデン)にいって勉強しないか?」と誘ってくださいました。でも当時の私は、度胸がないことに加え自分がどんな歯科医を目指したいのかなんてまるっきりイメージできなかったし、言葉もわからないであろう外国で自分が世界最先端を学ぶことなどとてもじゃないけど無理だろうと思ったのでした。初任給をもらう前から、車とウインドサーフィンを買ってしまいその返済をしなければならないという、あまりたいしたことはない経済的な理由も言い訳に加わりました。
 その後20年、スタディーグループ活動を中心に地道な臨床をしてきました。あのとき違う選択をしていたら今頃自分はどうなっていたのかと時折思い出すものの、すでにもうスウェーデンでもない、、、でもどこでもいい海外から、観光やバカンスではなく少し真面目に自分たちの歯科臨床を眺めてみたいなあと思うようになってきました。

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長い旅のヒマつぶしにと持参した「アメリカ素描」司馬遼太郎のサンフランシスコの章にかかっていたちょうどそのころ、私にとって初めてのアメリカ大陸の街並が飛び込んできました。サンフランシスコに到着のアナウンスが聞こえ、大学生のときに初めてロンドンヒースロー空港に降り立ったときと同じような新鮮な緊張感を覚えたのでした。

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