院長ブログ

カテゴリ「歯周治療」のブログ記事

10NOV

歯周治療の器具の理解

2016年11月10日
依頼された原稿執筆や講演のために下準備をする中、あらたな発見や、不十分だったことを改めて理解できることはよくあることです。今回も歯周治療初心者向け(?)の冊子の原稿のために準備を進める中、いままで自分自身が理解不十分だったことをいくつか再確認することができました。
用具.jpg
 「歯周治療のきめてはルートプレーニング」「その半分はシャープニングが鍵」「キュレットの形を熟知し相似形に小さくなるように」等
 とはいったもののグレーシーキュレットは適応部位によって形態が取り揃えられており、最初にそれを熟知しないと、毎回異なった形の歯面には適合しないはず。
これらをよく理解し駆使している我がスタッフらは素晴らしいなあと感嘆しきりです。

30SEP

臼歯部のプラークコントロール

2016年09月30日

 「臼歯部へのアクセス」もひとつのハードルなんだそうです。
そんななかの1症例。
1.初診:強い炎症、深いポケット、浮腫性歯肉
2. 3ヶ月後「乾いた歯肉」に(炎症の消退)、SRPの開始時期!
3.probeはいりません。やれやれ。メンテ移行
4.リコールでびっくり!いつの間にクラウン!なんで??? 

smさん.jpgswさん.jpg

 
 風邪気味になったとき36がしみるようになったのが不安になり、でもその日当院休診、、で休日当番受診したそうです。即、抜髄になり流れでクラウンになったんだそうです。
   何てことしてくれるんだ〜!!

「歯根露出でPC精度が低下した際、冷水痛が生じることがあります。そんなときは慌てず騒がず、もう一度PCを見直してみましょう。大半は消失しますから(抜髄なんてしたらダメよ!もったいない)!」  という講演を今週末の東京でしてきます。

22SEP

エナメルパール

2016年09月22日
ものの本では見たことあるけれど実物は初めてかも。
ダイヤモンドバーで削り取り、研磨しました。

「???これ、普通の歯石じゃない、、、、このスケーラーでも取れない、、、。もしや、、、」とWHO probe で細かな根面探査で直感したスタッフの感性に拍手ですね。
エナメルパール.jpg
撮影の困難さも想像してほしい。


15DEC

歯周組織の再生

2015年12月15日
旧知のO先生からの紹介で来院した21歳女性。plaqueControlいいのになぜか右上2に動揺排膿まであり驚きました。
ッY.jpg
あれから2年。歯槽骨頂線、固有歯槽骨も明瞭になりこれまでか。
10SEP

受動喫煙と歯周病について

2015年09月10日
一般向けに簡単に解説をと依頼をうけて書かせていただきました。
受動喫煙と歯周病.jpg
歯周病は治せない病気ではなくコントロールが可能な疾患ですが、どうにも治せないのは
1.歯を磨く意思のないひと 2.煙草がやめられないひと でしょうか。喫煙は自殺行為といっても自分の意思ですから、健康を損ねても歯を失ってもいいというひとは仕方ないのですが、受動喫煙となると話は別です。周りにいる自らは喫煙しないひとに歯周病のリスクを負わせるのは本当にはた迷惑ですね。
06SEP

スケーラーのシャープニング

2015年09月06日
歯科材料のA社の展示会を冷やかし?に行ってきました。
展示会.jpg営業マンと話していて驚いたことは「スケーラーをシャープニングして使ってる歯科医院、スタッフはほとんどなく、せいぜいで10医院のうち1医院程度かな、、、」なんだと。それでどうやって歯周病の患者さんに対応しているのか?とこちらが逆に驚きですが、超音波スケーラーだけじゃダメよ、なんていってもイマイチ通じないのも、そうした背景なんですね〜。シャープニングしないで済む、という触れ込みの新商品のスケーラーが人気だというのはまだいい方というべきか。でもそれでいきなり歯周外科も再生療法もあったもんじゃないなと。
年内にもうあと何度か講演の機会をいただいているので、それをふまえて少し視点を変えてみますか。まあたいした影響もないかもしれんけど。
16JUL

組織学の教科書から

2015年07月16日
「エンドトキシンはセメント質のごく表層にだけ沈着しているから水洗で十分。超音波スケーラーで洗い流せばよい。」とする説に反対するものの一人です。
 「セメント質は歯頚部側1/3の無細胞セメント質と歯根側2/3の有細胞セメント質に分けられる。(治癒の病理:下野正基)」をもとに、例えば「PPD<5mm程度までなら超音波スケーラーで省力化できれば有効」といってもいいでしょう。でもそれ以上(PPD>6mm)となれば有細胞セメント質に伝搬したエンドトキシンを除去することはできず歯周治療の決定版にはなり得ません。
それはいいといてもう少し決定的証拠がないかなあ、、と思い不勉強だった学生時代の組織学の教科書をパラパラみていたらこんなすごい写真を見つけました。
有無.jpg
無細胞セメント質が歯頚部にある遠心(青)に比べ、近心ではCEJ付近までしっかり有細胞セメント質(赤)です。こんな症例もあるんですね。ここはやっぱりしっかりしたルートプレーニングが必要といえますね。さらに根分岐部はすべてびっしり有細胞性セメント質(緑)となっています。
分岐部.jpg
ひとたび根分岐部病変となればその予後がよくないのは、器具のアクセスが良くないというこのみならず、これが大きな原因と言えるようです。
 
26SEP

プラークコントロールなき固定の予後

2014年09月26日
学生時代,実習書のなかに「金属線による固定」という項目があったのを記憶していましたが、30年来、実際にそれを行ったことは一度もありませんでした。そればかりかいまは「プラークコントロールなき固定は危険!」と全国で触れ回っている身です。今朝,あることで抜去歯牙をひっくり返してみていたらこんなのをみつけて小躍りしてしまいました。
金属線.jpg
完璧な結紮、見事です!きっとかなり優秀な歯科医による「治療」だったのでしょう。しかし、堆積した歯石とプラークもまた顕著です。生物学的幅径から考えてこの先2mmは骨がないわけですからこれこそ固定の弊害と言えると思います。
 安易な固定の危険性を皆さんにお伝えしたいものです。

31JAN

細菌は象牙質にまで侵入しています!

2014年01月31日
歯根の近接のためにルートプレーニングできなかった歯を、矯正治療のために便宜抜去することになって、それを病理標本を作ってもらい解説を加えてもらいました。
病理切片の解説.jpg
象牙細管に細菌が入り込んでる様子がよくわかります。やはり超音波スケーラーで表層だけ流しても治せませんね,自分の症例で解説してもらうとよおく理解できます。
12NOV

かつての「歯周療法学実習書」

2010年11月12日

私が大学生だった'83~4年頃の実習書(これは同級生に借りたもの)です。セピア色の表紙が30年の年月を物語り,それはそれで感慨深いです。当時「歯周療法」といえば「動揺する歯をいかに固定するか」に終始していたようです。
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表紙を広げ目次をみると、、、
*「歯齦切除手術」(いまどうかは知りませんが歴史と伝統の東京歯科では、歯肉は「歯齦」、歯肉頬移行部は「齦頬移行部」、セメント質は「白亜質」、エナメル質は「琺瑯(ほうろう)質」と称した)
*「金属線結紮固定法」*「塗蝋絹糸結紮固定法」*「A-splint」、、、。
すなわち実習のほとんど全ての時間を費やしている「歯周療法」の手技といえば「固定法」なのです。それが当時のEvidenceだったのかもしれませんが、こんなことでは大学病院では歯周病は治せない不治の病だったでしょう。
Lindheの教科書(英語版)の初版がこの翌年あたり。またその当時の長野県で、症例の観察から「歯は動く」(だから固定してはいけない)ことが見いだされたことは今世紀最大の大発見なのです。

16MAR

異例:短期間での歯周治療

2010年03月16日

オーストラリア在住のMさん(30歳女性)から「歯周治療希望」というメールが届いたのは'09 10月でした。「オーストラリアの歯科で侵襲性歯周炎の診断をうけました、前歯が抜けそうで怖い、11月から2ヶ月あまり富山の実家に帰るからなんとかしてください」「おいおい、歯周治療ってすごく時間がかかるんですよ、侵襲性Pだって!?そりゃ無理でしょ、何?今マレーシア旅行中?そんなのやめて早く帰って診せて〜、『イ〜』って自分の口元写メ撮って添付できない?レントゲンもらったのならそれも撮って添付して〜」なんてやり取りを経て11月に帰国しすぐ来院されました。
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さすが世界を股に活躍されている翻訳家、頭の回転も理解も良く,充分なモチベーション.
でも脱兎のごとくこんな短期間で歯周治療が進んだのは異例中の異例です。
KrMPD.jpg
レントゲン上で骨に変化が見られるにはまだ時間がかかりますが、出血は全てなくなりPDも安定しました。これからロンドンに住まわれるとのことで、旅立ってゆかれました。問題はメインテナンスです。英国の歯科事情は全く知りません、うまく継続維持できればいいのですが。
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17JAN

垂直性骨欠損の長期経過

2007年01月17日

左下5近心に垂直性骨欠損が認められます('94 10)。外傷の除去〜自然移動で大きく遠心へ移動し、ポケットがなくなりました。しかし56が近接しこれでは補綴が不可能なため、MTMを行い連結冠を装着し、保定と固定を行いました。
94 10.jpg

メインテナンスが続いています。13年後である現在です。炎症の再燃はありません。
13年後.jpg
歯槽骨頂線、歯槽硬線ともに明瞭なうえ骨梁像も安定しています。

17JAN

すり鉢状骨欠損の長期経過

2007年01月17日

咬合性外傷によるいわゆるすり鉢状骨欠損(四壁性骨欠損)でした(1995年)。
すり鉢状初診.jpg

便宜抜髄をして自然挺出をはかりました('95 4~'96 4)。
すりばち1.jpg

骨欠損はなくなりプロービングデプスも2mmとなりましたが、歯冠歯根比が極端に悪いです。
「このあとどれだけもつか」と批判もありました。しかし患者さん自身のプラークコントロールはずっと続いており、リコールも継続されています。初診から12年後最近のレントゲンです。
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22JUN

歯周治療と禁煙支援

2006年06月22日

煙草が健康に煙草がよくないことを子供でも知っています。空港、駅などでも喫煙者は煙突の下みたいな肩身の狭い場所に追いやられています。いまや世界の常識なのです。歯周治療にも歯周外科にも悪いことはわかっているので患者さんご自身が禁煙してくれなければ我々歯科医には責任が負えません。煙草をやめてもらうことも歯科医の仕事のひとつです。「そんな堅いことばかりいって」なんていわれてもしょうがありません。
私も、患者さんに禁煙を勧めるにもかかわらず自分の指がヤニ臭ければ説得できまい、と自己暗示をかけ全く吸わなくなってから10数年経ちました。

ところである方の禁煙前後の歯肉の変化をみてください。3箱/日のヘビースモーカーでした。
禁煙前後.jpg
煙草と歯周病の関連をご説明しました。
1. ニコチンが歯周病原菌と戦う白血球の遊走阻止
2. 歯肉の線維化
3. ヤニが歯についてプラークが停滞しやすくなる

よく納得いただいたご本人の努力で禁煙に成功しました。後日私たちに数々の名言を残してくださいました。
1.「最近急に歯磨きするようになったし煙草やめた。『健康オタクになってどうしたの?』と職場で言われています。」
2. 「禁煙はじめた頃は辛くて辛くて、、、。灰皿のにおいを嗅いで紛らわせました」(これはすごい!)
3. 「(まきの)先生のおかげでハワイにいってきます。毎日1000円くらい吸ってましたので月に30,000円。半年で、、、、。煙草やめたらハワイなんか安いもんですわ」(でもこれは「煙草はやめない。肺癌で死ねば本望」なんていうひとにとっては些細な話でしょう「ハワイがどうした」といわれればそれまでの話。)

02JUN

重度歯周炎

2006年06月02日

患者さんのブラッシング、私たちのスケーリング&ルートプレーニングで歯肉の発赤腫脹が消褪し健康な歯肉が回復しました。
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そのレントゲン像です。
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